理由は、RTP(Real-time Transport Protocol)を通すからです。具体的には、VoIP系のサービスを利用するためです。日本通信だと下りのRTPが遮断されているので、相手の声が聞こえません。VoIP系のサービスは、WiFi下で使うしかないのですが、それだと固定回線程度の機動性になってしまいます。
VoIP系のサービスを携帯電話の代替えとして、使うための条件です。
- 常時接続である。
- 電波範囲がドコモ3G網と同程度の広範性がある。
- RTPを通すことができる。
- 相応のトラフィックが必要である。
- コーディックやプロキシの設定ができる。
- 既存の携帯電話よりも安価である。
1.2.3.は、IIJmio高速モバイル/Dの場合、条件を満たします。
4.は、3日あたりの通信量が366MB(300万パケット相当)の通信が可能です。通話時間に換算すると3~4時間程度でしょうか。
5.は、Android2.3の標準SIPでは難しいです。これは、Acrobits Softphoneのようなアプリで対応します。
6.は、Fusion IP-Phone SMARTの場合、月額の基本使用料が無料で、通話単価8.4円/30秒です。
他にもバッテリーの持ちなど色々とあると思いますが、とりあえず、これらの条件を満たす組み合せ、「IIJmio高速モバイル/D」「Fusion IP-Phone SMART」「Acrobits Softphone」で運用を試してみたいと思います。
環境
- 端末:XPERIA X10 Ver2.3.3
- 3G:IIJmio
- WiFi:WiMAX AtermWM3600R
- SIPクライアント:Acrobits Softphone Ver3.0.8
- SIPプロバイダー:Fusion IP-Phone SMART
- Fusion IP-Phone SMARTのアカウント情報を入力します。
- 「Username」は、Fusion IP-Phone SMARTの「SIPアカウント」です。
- 「Password」は、「SIPアカウントパスワード」です。
無事、発着信と通話が出来ました。
IIJmio高速モバイルDでAndroid標準SIPを使うと、発信キャンセルができなかったり(相手先に鳴りっぱなし状態)、通話が切断されたりと、動作が不安定でした。とても運用可能なレベルではありません。Acrobits Softphoneだと、それらの問題は解決されます。ただし、着信音は、変なJAZZの音楽みたいなものとか、実装されたものしか選べません。また、razikoや音楽を聞いている時に着信があると、音楽アプリが停止せず、聞いている音楽が相手に流れてしまいます。待受けも時々不安定です。他にも不安定さはありますが、家族や親しい友人同士ならば、笑って許してもらえるはずです。IP電話を使ってのスマフォの維持費945円、1台持ちをする夢は、まだまだ時期尚早ですが、未来を感じさせるサービスだと思います。
050 モバイルIP電話
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